フランスって

仕事上のストレス

現代はストレス社会と言われている。フランス人も多数の人が仕事上のストレスを抱えて生きている、という記事がフィガロマガジン4月15日号に載っていた。

フランスは労働時間週35時間、年間バカンス最低5週間という一見非常にゆったりした労働形態の社会であるし、ラテン民族ということもあってさぞかしみな陽気に明るくリラックスしているかと思うとまったくそんなことはない。休暇が多い=仕事上のストレスが少ないという理論がなりたたないことが証明された形だ。

記事によるとフランス人労働人口のほぼ2人に1人の割合で仕事上のストレスを抱えている。男女では女性、年齢層では40代でストレスを感じている人の数が多い。細かく見てみるとおもしろいことがわかる。たとえば田舎に住んでいる人のストレスが必ずしも都市部より低くはないこと。また、一般のイメージとはうらはらに公務員でも民間企業人でも仕事上のストレスを感じている割合に違いはなかったこと。雇用保証はストレスを減らす大きな要素と思われているがそれだけでストレスレスでいられるわけではない。公務員の世界で行われているさまざまな改革による労働環境の変化に対するストレスや、仕事上のフラストレーションがあるようだ。職種別では直接接客をするタイプのサービス業や交通機関の就労者に大きなストレスを抱えている人が多い。民間企業ではポストが上になればなるほどストレスは増大するが、不思議なことに上級管理職になるとストレスが下がる。これは本人のストレス管理能力に関連した結果のようだ。

記事の途中で「あなたのストレス度は?」というテストがある。12の文章にそれぞれ「非常によくあてはまる、まあまああてはまる、あまりあてはまらない、まったくあてはまらない」で答えて点数を合計する簡単なものだが、その質問の中にこんなものがある。

-人の発言をさえぎり、自分の意見を通そうとすることがよくある
-時間がないために急いで仕事をすましているような気がする
-冷静を欠いて職場で感情的な態度をとることがある

これらの態度はまさにわれわれがフランス人の典型的な職務態度として認識しているものに他ならないではないか。

記事でも言及されていたが、非常に保護され、恵まれた労働環境で働いているはずのフランス人のストレス度の高さの一因は彼らが労働に喜びを見出すことを知らないことから来ているというがまったくそのとおり。良い仕事をする喜び、他人に喜んでもらうことの喜びを感じられるようになったらもう少し仕事のストレスは減るのであろうがそんな日がいつ来るのやら。

コメント(5)| Track back(0) | 2006年04月21日

■ 働く喜び
こんにちはー。
なるほどー。働く喜びを感じていないから、
余計にストレスを感じるというわけですね。
確かにそれはいえてますね。
日本の企業では(夫をはじめ)とにかく拘束時間が長く、
喜びを感じる以前に“人間らしい生活を
させてくれ〜!”って声が聞こえてきそうですが、
そうではない会社であれば、やりがいがあるか
ないかによって、ストレスは違ってきそうですね。

ふらんすさんが挙げてらっしゃる3項目、
確かにそういう人は多いですね。日本よりも。(^_^;)
日本だったらそんなことをした瞬間に、
あちこちから苦情が来てもっと大変なことになるのは
目に見えているからしないのでしょうが・・・

なんだか長々書きましたが、フランス人の
勤務態度、働く上でのストレスについて、
なるほどーと納得させられた記事でした。
モネ (2006-04-21 20:24:34)

■ 働き甲斐
なるほど・・・。
「ポストが上になればなるほど・・・」っていうのは、日本でもすごく問題視されていた「中間管理職」のあたりでしょうかね?そのまた上のポストではグッとストレスが下がるという点から、そんな感じを受けました。

フランス人、働き甲斐を感じてない人が多いかもしれませんね。
日本のように、企業戦士になって会社に人生をささげる、ってところまではしなくても良いですけど、「良い上司の下に良い部下あり」っていうことを、フランスの上層部にもわかって欲しいですね。上司さん達、あなたがたの人徳で、部下はがんばって働くようになるのですよ。
上司に対する不満を、夫の友人たちから聞くことが多いです。不条理な対応をされるので不満が募るようです。

仕事にやりがいを見出せるかどうかというのはデリケートな部分でしょうし、誰しもがやりがいのある職に就けるとは限らないと思うのですが、しかし、働き甲斐のある職場を上司が提供することは、努力次第で可能なのではないかと思うんですが・・・。働き甲斐の無い職場で働いてストレスを溜めているフランス人たち、かわいそうですね。
yaco (2006-04-21 21:03:00)

■ やりがいのある仕事とは
顧客や(チームプレイが多いので)職場の同僚から感謝されることでしょうね。
メーカーは全く別ですが、僕のように金融機関や商社に勤めると、サービス労働が月100時間なんて、フランス人から見ると多分奴隷じゃないかと思われるような会社人間になります(今は違います・・笑)。
確かに家庭は犠牲になるし、身体はガタが来るしで、いいことはないんですが、難しい仕事をやり遂げ、顧客や上司から感謝される時の快感は経験したものでないと理解できません。ストレスも疲れも吹き飛びます。
日本のサラリーマンは、給料が欲しくて働くといううよりは、仕事で達成感を得る事を目的に働きます。結果が出せればいい給料が確実についてきます。

SavoieのChamberyで在仏25年以上という、国籍だけ日本人のC嬢は完全にフランス人になってしまっていて、日本に来た時、コンビの店員のサービスが気持ち悪かったそうです。日本では当たり前のあのサービスはフランスなら三ツ星のレストランのサービスだそうです。勤労倫理の相違に愕然としました。
結局人間は社会人として過ごす時間のかなりの部分を仕事をしてすごします。仕事自体に喜びを見出せない文化というのは不幸だと思いますが、フランス人はバカンスをろくに楽しめない日本人は不幸だというんでしょうね。
でもあれだけの日本人がはるばるパリに行くんですから、バカンスを楽しんでないなんてことはないような気もしますが、フランスの基準だとあんなのはバカンスのうちに入らないんだろうな〜〜。
きまるり (2006-04-22 21:47:40)

■ NO TITLE
フランスさん、初めまして。
いつも興味深いエントリーしておられるので、楽しみに拝見しております。
 
さて、私は”きまるり”さんのコメントにとても共感しました。確かに、日本人の多くは(自分も含め)仕事の達成感を最大の悦びとして働いていると思います。自分で何かを作り上げる悦び、ということだと思うのですが、多くのフランス人はそれを家庭内に求めるのかしら?
日本の場合も、仕事偏重が家庭を壊す場合がある、という深刻な問題はあるので、それがいいとはとても言えないのですが。。。
しかし、充実感のない仕事をしながらバカンスしても、心底楽しめないんじゃないかと思うのは私が日本人だからでしょうか。
shoko (2006-04-23 22:31:09)

■ 仕事=悪?
モネさんこんにちは。
フランス人でも拘束時間の多い労働者はいるのですが、管理職の場合は仕事が好きで長くなっている人も実は結構います。ただフランスの場合は「付き合い」という観念はあまりないので自分が決めた日にはさっさと帰るというところがいいですね。

yacoさんこんにちは。
おっしゃるとおり、フランスでも中間管理職のストレスが最も高いとのことです。上になると責任も重いですがそのかわり物理的待遇は良くなりますし、そのようなリスクが好きな人が上に進んでいるということもあってストレスが弱くなるようです。同じ状況にあっても人によってストレスの感じ方は違いますね。
全員に働き甲斐を与えることは難しいですが、快適な労働環境を提供することは企業側の責任だと思います。そういう意味では無意味な節約は百害あって一理なしでしょう。

きまるりさんこんにちは。
>日本のサラリーマンは、給料が欲しくて働くといううよりは、仕事で達成感を得る事を目的に働きます。結果が出せればいい給料が確実についてきます。
この感覚がフランス人には少ない気がします。仕事人間のどこが悪い、というくらい自信を持ってよいと思うのです。まあ家族生活とバランスをとることはもちろん大事ですが、人生良いとこどりはできませんのでその辺は個人の選択ということになりましょう。

shokoさんこんにちは。
多くのフランス人にとって仕事は生活やバカンスのためのお金をもらう手段でしかありません。だからこそ何事も最小限に済ませようとします。でも仕事の時間の方が圧倒的に長いことを考えると(フランスの労働時間と休暇日数を考えると圧倒的、というほどではなくなっているともいえますが)本当に不幸な人達だと思います。なにごともほどほどが良いですね。
ふらんす(筆者) (2006-04-24 16:34:12)

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