伝統的に成熟した女性の価値が日本よりは高いフランスではあるがそれでも「若く美しい女性」の勢力はやはり強い。日本ほどではないにせよ「若く美しい」ことを取り除くと何も残らないような人物がもてはやされてスター気取りだったりすることは少なくない。
そんな風潮を打ち壊すかのように今週のマダムフィガロ、フィガロマガジン で「40代、50代でより美しい」人達が特集されていた。
代表選手はディオールの顔として活躍中のシャロン・ストーンだ。48歳という年齢の意味をぶっとばす存在である。彼女のすごいのは単に外見的な若さを保っているのみならず、40を過ぎてから2人の子供を養子にとって育てていること、ダボス会議にも顔を出してはさらりとお金を出したりしていること、もちろんそれは有名な女優であるからできることなのかもしれないが誰にでもできることではない。
彼女以外にも40代、50代で活躍中の男女がたくさん紹介されている。フランス人の代表はやはりTF1のジャーナリスト、クレール・シャザル(Claire CHAZAL)であろう。才色兼備とはこの人のためにある言葉だろうと思われるが、しかも飾るところがない。同じTF1のジャーナリストのパトリック・ポワーブル・ダルヴォール(PPDA)との間に授かった息子を大事に育てていることもさらりと認めているあたりはとてもフランス的だ。
シニア世代をクローズアップする傾向は老齢化社会に入った国としてはごく普通の流れであろう。現在のシニアの世代は若者などよりずっと購買力もある。経済的にもシニア世代がおいしいターゲットであるのは日本と同じであろう。
ただ、これら芸能界、政治界、ジャーナリストの世界ではシニア世代の活躍が続いているがごく普通の人の世界ではまだ年齢の壁は厚い。特に会社勤めをしていると45歳からはあらゆる面で扱いが変わる。研修内容もキャリアアップを目指すというよりは今後どのように老後を迎えるかという観点に変わってくる。55歳で定年退職が保証されていた時代ならともかく、今では多くの人が60歳またはそれ以上まで定年退職はやってこないことを考えると45歳からメインをはずされていくというのはいかにも時期尚早だ。
フランスだけで考えるとどう考えても40代以上の方が若者よりダイナミックである。現代のフランスの若者達には「人生にはリスクは付き物」という考えはまったくなく、何事も手厚く保証されていないと政府が悪い、と物を壊しまくる傾向がある。それに比べ、上の世代はいろいろな意味で人生のリスクを認識している。また、若い世代でも人生のリスクに気づいた多くの人達はフランスでもたもたせずに外の世界に飛び出して活躍している。
首相が「リスクをとってでも前進しよう」と提案するのに対して二十歳そこそこの若者達が「はんたーーい」と言っているのを見るとなんだか世の中が逆転しているように見えてしまうがどうだろう。
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コメント(4 )| Track back(0 ) | 2006年03月13日