5月29日はフランスにおけるヨーロッパ憲法の国民投票の日であることは前にエントリーしたとおりである。
前回エントリーから1ヶ月経ち、その間にシラク大統領自らテレビに出演して国民の質問に答えるという番組も放映されたものの反対派が票を伸ばし続ける予想が主流だ。が、ここ数日やや賛成派が持ち直してきた感もあり、まだまだどちらにころぶかまったくわからない状況である。
昨日も賛成派、反対派の政治家数名が国民の質問に答えるという形の番組がテレビで放送されていた。反対派には極右派のルペン氏の顔も見られ、いつものとおり国粋主義的な意見をがなりたてていた。
マーストリヒトの時の反対派はヨーロッパ=フランスがなくなるという気持ちを持っていた人がかなり多いように感じられたが今回の反対派の多くは明らかに論点が違う。
今回の反対派は必ずしも「ヨーロッパ」には反対していない。マーストリヒト以来ユーロも導入され、EU共通の取り決めの基本となるEU指令に則った法律もかなりできてきている。明らかにフランス人の中に「ヨーロッパの一員」としての自覚が少しずつ出来上がってきているのが感じられる。
それはそうだ。ヨーロッパの中では地理的にも人口的にも大国であるフランスであるが、世界を見ればアメリカはもちろんのこと、インド、中国が将来の鍵を握っている。フランス一国だけでそれらの国に対抗して行くのが無理なことは政治の専門家でなくてもわかる。さすがのフランス人もヨーロッパとしてまとまることがフランスにとって必要である、というところまでやっと到達したようだ。それが憲法賛成派の主な主張でもある。
しかし、理想的なヨーロッパ像となると意見がばらばらになる。今回のヨーロッパ憲法がフランスにとって理想的なヨーロッパを実現するための道具となると考えない人が反対派だ。反対派がもっとも恐れているのはヨーロッパ憲法が「自由主義的」であることだ。自由競争の原理を受け入れること=安い給料であくせく働かされ、お金持ちだけが優遇される社会で生きることと想像されるからである。
投票まであと1ヶ月ほど。賛成反対両派の論争はまだまだ始まったばかりである。
コメント(2)| Track back(0) | 2005年04月26日
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