子供の誕生後に就労形態を変更する人は女性で39%であるのに対し、男性は6%という結果が国立人口調査研究所から発表された。この数字は2004年から2005年にかけてフランス本土の20才から49才の男女9745人及びその雇用主を対象に行われた調査が元となっている。
就労形態の変更というのは具体的に言うとフルタイムからパートタイムへの就労時間の短縮、職種変更(出張の多い職種から少ない職種へ)ということなのであるが、男性の場合は逆に子供の誕生後によりたくさん仕事をするようになった、昇進した、というケースもある。
フランスの女性の就労率は1960年と比べて倍増しているが、男女の家事分担比率にはそれほどまでに変化はなく、共働きでも女性が家事の80%をこなしているのが現状である。
そして女性の場合、出産1年後で見てみると一人目の非就労率は38%、二人目になると51%、3人目では69%と子供の数が増えるにつれ就労率が下がるのだが男性では子供の数が増えても就労率に影響はない。また、最後の子供が3才になるまで休職・時短手当が国から支給されるため、出産1年後では休職率が自然と高くなる。この休職・時短手当(Allocation parentale d'éducation)受給資格はもともとは子供が3人以上の場合であったのが1994年からは子供が2人以上の場合と拡大された。資格拡大は働く女性の出産、復職を助ける目的ではあったのだが、それにより休職率が上がる効果を生み出してもおり、女性の社会進出という意味ではプラスとはいえない面もある。
参考記事の最後の方におもしろいことが書かれている。女性の場合、学歴が高いほど出産後の仕事のリズムを変更しない傾向があるのに反し、男性では学歴が高いほど子供の誕生後に仕事のリズムを変更してもよいという人が増えるというのだ。
このレポート自体は事実を報告しているだけであるが、ここからいろいろなことが見えてくる。
この数字を見て「女性の社会進出を進めるためにもっと男性も家庭に参加するべきだ」と思う人もいるだろう。しかし本当にそうだろうか。女性の中には学歴が高く、優秀で高収入であっても子育てを夫や他人にまかせきりにするのはいや、という人が少なくない。そういう女性は会社に惜しまれつつもキャリアを捨てることを厭わない。社会進出ばかりが人生の幸福ではないのだ。中にはキャリアを選択してスーパーウーマンになっている女性も多数いるが世の中の女性すべてにこのスタイルを手本にしろというのは多くの女性の感覚からは乖離していると思う。
最近導入された男性を対象とした子供の誕生後休暇制度(congé de paternité)も取得率が低いと聞いたがそれは現代フランスでは「男が仕事を休むとは何事」という差別があるとは考えにくいので男性自身が取得に積極的興味を示していない結果なのではないかと個人的に想像している。
「男女平等」とは男性と女性がまったく同じことをせよという意味ではないのは明らかであるがそれではどうなればいいのかというとなかなか回答の出ない永遠のテーマである。
参考記事=2006年9月13日付けLes Echos "Les naissances n'influent qu'à la marge sur les activités professionnels des pères"
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